あくをブログ

あくをの色々垂れ流し

福田に実写は難しい

お久しぶりです、あくをです

 

早速ですがわたくし

実写「ヲタクに恋は難しい

を見てまいりました。

 

Twitterで少々感想を書きましたが

まだまだ猛る想いが止まらないので

こちらで発散しようと思います。

またこの記事ではネタバレを含む内容についても触れる可能性があります(書く内容はこの文を書いてる段階であまり決めてないのでどれくらいそういった内容に触れるか分かりません)

なので映画を自分の目で見て内容を確認したいよっていう人はこの先読まないことをオススメします。

また個人的に今作品に関しては大変否定的な感想を持っているので今作を鑑賞して好きだったという人もまた素直にブラウザバックをオススメします。

 

感想お気持ちバトルをするつもりはありません。

映画を見てどう感じたかは十人十色、合わない人はバトルするより合う人同士で話し合うのが1番

 

ここまで見てそれでも見るよって人だけ見てね!

 

 

 

それでは感想本編参ります。

ヲタクに恋は難しい はふじた先生による恋愛コメディ漫画。2018年にはアニメ化もしました。

個人的に作品自体は無論不満はあれど結構好きでアニメは何周か観ました。

ただ万人受けする内容とは言わずヲタクの中でも好みは分かれる類の作品でしょう。

そんな原作を実写化したのが本作で監督には

勇者ヨシヒコシリーズや実写銀魂で名高い福田雄一

好評な作品を生む中でシャザムの吹き替えなどでちょっとした炎上をするなどどちらの意味でも話題になる日本の映画監督の1人でしょう。

キャストには実写作品に関わった本数はかなりのもの、売れっ子俳優の山崎賢人と同じくいろんな作品を彩っている高畑充希のW主演。

主人公であるヒロタカ(漢字表記面倒なのでカタカナで)の先輩であり上司となるカバクラには斎藤工、同じくナルミの先輩となるヲタク友達のハナコには菜々緒

キャスト発表段階ではわりとイメージ通りで特に菜々緒を楽しみにしていた本作

果たしてどんな映画だったのか

 

内容に触れるにあたって

映画『ヲタクに恋は難しい』単体として見たときの感想、

原作を持つ作品として原作との違い

この2点に触れていこうと思います。

 

 

ラブロマンスコメディにあたるのかな?って感じの本作

予告段階から触れられていましたが本編はミュージカル映画仕立て

最近ではかなり流行りなジャンルですよね

ラ・ラ・ランドやグレイテストシャーマンなどかなりのヒットを生んだ作品も記憶に新しく最近ではキャッツなんかも同ジャンルで話題となっています。

個人的にミュージカル映画は好きなジャンルでミュージカルだから苦手といったことはないんですが…

本作のミュージカル仕立てはピンときませんでした…

というのもミュージカルにおいて楽曲は映画の1番の見せ所であり華

そんな中本作はとにかく楽曲が弱く感じました…

主演である高畑充希は確かに歌は上手いんですわ

ただ、ミュージカル作品における歌はやはり映画としての華

それを歌う歌手がいくら上手くても楽曲が弱ければ意味がない

ヲタ恋の曲はとにかく個人的に刺さらなかった

耳に残る曲というものがなくどれも似たりよったり

また映画として画も映えないシーンが多くてミュージカル映画なのに歌っている時が退屈というのが本当に辛かった

ちなみに結構序盤でおそらくラブライブ!をパロった歌シーンがあるんですが10人強くらいでのダンスシーンでμ'sメンバーとアクアのメンバーが入り乱れてる感じのシーンになってるのはなんだか別方面のヲタクに怒られそうだなぁと感じましたがまぁそれは別のお話。

 

またストーリー構成が原作と違うんですが別に改変しようがしまいがペラいのなら下手に変えなくてもよかったんじゃないかなぁと

これに関しては後述内容で触れると思うのであれですがメディアミックス作品で尺などの関係から原作と違った設定等をつけることはままあることではあるのでそこに関して怒ることはありませんが大して映画として面白みを増すための改編ではないのなら無難に原作通りやっていた方が誰も怒らないし誰も傷つかないでしょう

そして尺を理由にするのであればやはり退屈なミュージカルはいらなかった

 

本作におけるミュージカルシーンはストーリー進行にあまり関わりがないものが多く(進んでいたとしてもそこまで尺をかける必要がないものが多い)

言うなればアクション映画におけるカーアクションシーンのような迫力はあるけどストーリーは進んでいないシーンのようなもので、その上マジで画として盛り上がっていないのが二重苦となって苦痛でした。

 

そして福田雄一作品ならではといえば福田組全開な雰囲気

今作も当然それが色濃く出ていて佐藤二郎やムロツヨシ賀来賢人といったお馴染みの面々がずらり

はいいんだけどぉ〜

この人たち映画予告で感じた通りのことですが原作にはいないんですよ、えぇ

これも当然後述しますがなんとこの映画カバクラとハナコはほとんどモブなんですよ〜

ヒロタカとナルミが会社内で初めて再開するシーンもお互いの隣にいるのは賀来賢人となんか知らない美人の女の子

自分の好きな俳優たちを映しギャグ線が刺さらない人にはマジで面白くないシーンを映画に取り入れるために貴重な尺を割いて原作のメインキャラを大いに削るその手腕には脱帽そのもの

菜々緒のコスシーン含めカバクラやハナコを期待して観にきた人も間違いなくいるでしょう、しかし本作に2人のシーンはほぼありません。

いや、すごいよね

 

 

この辺から既にその一端に触れつつあるものの禁断の原作との違いについて触れていこうと思います。

さっき触れた通り原作では主にメインキャラ4人(ヒロタカ、ナルミ、カバクラ、ハナコ)で進行される不器用なヲタク達の恋模様を展開していくわけですが本作は華とエモに欠けるミュージカルシーンと福田雄一のオナニーである福田組のシーンを入れるためにメインキャラ2人を全面的にカット

なんと4人が集合するカットは1カットだけで精々3〜4分程度

菜々緒斎藤工に関してはこのカットを除くとそれぞれ出番は菜々緒が10分程度(体感)、斎藤工もいってて15分あるかないか?

斎藤工は原作メインキャラとしてキャスト公開では最初期で公開されながらなんとエンドテロップのキャスト順は最後、菜々緒に次ぐキャストとして名前が挙がるのは賀来賢人

これをなんか原作の実写化!という上でやるんだからそりゃもう文句も出るでしょう

勘違いしないでいただきたいのが実写というだけで騒ぐヲタクがいるこのご時世ですが個人的に実写=悪では決してないと個人的には思っています。

最近ではゆるキャン△実写ドラマシリーズがかなり好評だったり個人的に評価の高い作品なら実写咲のドラマ並びに映画シリーズは実写作品の中でもダントツの出来の良さ(特に阿知賀編劇場版は最高)

もっと人気どころで言えば東京喰種の実写もアクションもさることながらリアルなグロテスクさを上手く落とし込んだカグネの表現などピカイチでかなり出来のいい実写作品だったんじゃないかなぁと思っています。

それに世界的に見れば今流行りに流行りまくってるアメコミ映画なんかは完璧な実写作品の成功例だしね。

 

だから実写というだけで悪ではない

メディアミックス作品として媒体が変われば写し方や自然な画、取れる尺などが変わり脚本やストーリー構成にテコ入れが加わることも不自然なことではない。

しかし、本作は

監督のオナニーと面白みのないミュージカル演出のために尺を割いた結果メインキャラ2人削ることになった のであって媒体が変わることによって必然性と映画としての整合性を持たせるためにされたテコ入れではない

これが一番重要で1番気に食わないところなんですよね

例えば同じようにメインキャストを削るにしてもそもそもコメディテイストが得意な監督なんだからミュージカルテイストにせずにノリとテンポを良くしてコメディ満載にすればまた違った仕上がりになったでしょうしそもそもミュージカルにしなければ尺的にもっと掘り下げることもできたでしょう。

ミュージカルにするなら難しいけど楽曲を長尺にして代わりに画の部分でストーリー進行を兼ねるとかね?例えばグレイテストショーマンなんかは楽曲中にシナリオの進行がなされるじゃないですか

ミュージカル映画ってすごく華があるけど難しいと思うんですよ。

映画としての画の魅力をしっかりと詰め込みながら楽曲もしっかりとスポットライトを当てなきゃいけない。その上一曲3分前後の曲を7〜8曲(ミュージカル映画のサントラってだいたいこれくらいは曲かなって数)映画の尺の中に組み込むとなれば25分前後は歌って踊ってるわけで

その上でしっかりとストーリーをこなして映画としてまとめなきゃいけない。

映画監督ってホントに大変だなって思います。

こんなにもいろんなことを考えながら我々にエンタメとして心に残る作品を届けてくれているわけなので

本作に関してももしかしたら福田監督の意向とは違うパワーが裏にはあるのかもしれません。

この作品をこういったテイストで撮ってほしいというお上の注文の中できたのが本作なのかも…

でもだとしたら出来る限りで映画としてのまとまりを保ってほしかったしそのためなら時折監督しての色を抑えるという選択もあるでしょう。

詰め込んでオナニーして原作を蔑ろにするというテイストは流石に原作が人気な作品でやって喜ばれるってことはないでしょう。

 

またキャラクター造形やストーリーにテコ入れした結果所謂解釈違いといったものが多く生まれているのも気になりました。

まず削られたことによってカバクラ、ハナコの造形はお粗末になってるのは言うまでもないでしょう

カバクラは原作の不器用だけど優しく根は真面目でそれ故に頑固な面があるキャラクターからなんか常にキレてて風当たりが強いくせに酔うと後輩女に彼女の愚痴を垂れ出すめんどくさい上司へと進化

というかカバクラはどんだけ後輩の女の子が思い悩んでいたとしてその子の悩みを解決するために話を聞く場を設けるとしても自分の家に呼んだりしないでしょ…ちなみにヲタクであるという設定は完全になくなってます

まぁまぁめんどくさい原作ヲタクムーブは控え…控えるよ…うん…

ハナコは会社で会うことは一切なくバーになんかいつもいる絡み酒のお姉さん、当然コスプレイヤーではあるんですがそのシーンも上記にある4人が唯一同じカットに写ってるワンカットだけで劇中には他にナルミの友達であるレイヤー達も何人か登場していてそれ故にハナコの個性として映えない感じ

 

メイン2人だけでなくヒロタカなどにも大きく影響は出ています

作中ラブコメとしての盛り上がりどことして2人のギコチナイ恋愛模様が描かれますがそこでヒロタカはナルミのアニメ趣味に合わせるためアニヲタの世界に浸る空回りシーンがありますがここも完全に映画オリジナルの空回り展開で原作が好きなら文句の付け所間違いなしでしょう。

原作ではナルミが「昔から私は漫画やアニメ、ヒロタカはゲームでお互いの好きなものを尊重してきた」というニュアンスの台詞があるようにお互いの趣味に理解は示すが深い干渉はすることなくお互いの好きなものを尊重してきたからこその関係を形作っているのに対し映画のヒロタカは割とブレブレ

個人的に原作でのナルミとヒロタカはヲタクに対してコンプレックスというか引け目が少なからずあるナルミと追いかけてきたナルミとの初めての恋愛に悩むヒロタカといった印象でしたがこれは完全に別物

 

ここまでたらたらと語ってきましたが実写ヲタ恋を簡潔にまとめると

・歌は上手いが面白みと華に欠けるミュージカル

・福田オナニー満載

・ヲタ恋の皮を被った別作品

といった感じでまさに予告通りといったところでした

ある意味で予告で感じたことを全て忠実にまとめているといえば間違いないでしょう

しかし、予告を超えることは決してありません

あと全体的にヲタク像がかなりキツめで原作よりも更に古のヲタク感を盛り込んでいるため会話がドギツく共感性羞恥とかを持ってる人はホントにキツいんじゃないでしょうか

福田組ファンにはたまらない出来なのかもしれません。

個人的に福田作品はそんなに嫌いではないんですが本作は群を抜いて寒かったように感じますがこのノリが好きならそうでもないのかもしれません。

あとヲタクカルチャーに関しては確かにライト層はついてこれないくらい色々出てきます。

コスプレイヤーをバックダンサーとしたシーンなんかは華やかな絵面の中に推しキャラを探す楽しみなんてのもあるでしょう。

◯◯が写っててマジ尊い!!みたいな感想が散見されたので全体的な出来よりキャラや推しに比重を置く方が多い印象が強い女性受けなんかも良いのかもしれません

 

とにかく実写ヲタクに恋は難しいは予告で感じた通りの

ヲタクに恋は難しいと思わずに見れば楽しめる映画なことは間違いないでしょう

まぁそれ抜きでも映画として楽しむレベルに到達してないと個人的には感じてしまったのですが…

ただキャスト陣は確かに強く熱演も間違いありません。

どこを楽しいと感じどこに熱量を見出すかは作品の受け手次第なので僕が楽しめなかったからこれを読んでくれた人も楽しめないわけではないでしょう

 

しかし、見るなら映画館じゃなくても…

いいかなぁ………

 

え?そんなヲタ恋の中でも1番面白かったシーン???

 

間違いなく内田真礼のライブシーンですね!!!

ご本人登場だけでも笑ったけどギミレボかかったのはもうそれだけで笑顔になっちゃったww